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『出世花』 高田郁

この季節にこの本を手に取った事を、何か運命にように感じてしまいました。


先日読んだ『八朔の雪』『花散らしの雨』の作者のデヴュー作が収められた一冊です。

雪麿Lounge-出世花
『出世花』 高田郁著

妻敵討ち(めがたきうち)を果たせず、旅の途中で客死した矢萩源九郎の娘『お艶』

江戸のはずれ下落合にある”墓寺”青泉寺に預けられ、

青泉寺の住職・正真より新たに『お縁』という名をつけられて

心優しい人々に見守られながら、三昧聖(さんまいひじり)として一人の少女が成長していく物語です。


4篇の短編が収められています。



『三昧聖』 聞きなれない言葉ですが

人が亡くなり、亡骸を湯灌=洗い清めて浄土へ旅立つ手伝いをしてくれる・有髪の”半”出家者の事をいうそうです。
常世と現世を繋ぐ人

映画にもなりました『おくりびと』 今でいう『納棺士』のお仕事です。



最初の一編『出世花』で、お艶=お縁(おえん)が僅か15歳で、三昧聖になったかが語られます。





高田さんの作品に出てくる人は、皆「優しい人」ばかりなのです。

誰もが人には知りえない・知られたくない、傷や痛みを持っているからこそ
人の痛みを我がことのように感じ、静かな優しさを持ってます。

そして世間から「蔑まされる仕事」であっても、それに従事する人達の仕事へ
それに関わる人・モノへの真摯な姿勢は頭が下がるばかりです。








お正月が近づく度に思い出す、一休宗純の和歌

『門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもありめでたくもなし』






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