物語が終わった後が気になる一冊
あなたの隣
『あなたの隣にいる孤独』 樋口有介・著


川越市のアパートで母と暮らす15歳の玲菜
玲菜には「戸籍」が無い・・・母・麻希子は「ある人」から隠れ逃げる為に
玲菜の出生届が出されていない
そんな環境でも、母娘は肩を寄せ合うように仲良く暮らしている

玲菜は「学校」に行った事はないけど
近くのリサイクルショップ「川越屋」で教科書を購入して独学で勉強
近所の女子高生カフェで、高校生を装ってバイトもしている

歪んでいるけど、平穏な毎日」

ある日母・麻希子から「あの人に見つかった!アパートには帰って来ないで」

と電話があり、途方にくれる玲菜
そんな玲菜を助けてくれたのは、「川越屋」の主人・秋吉と孫の周東
2人に保護され、母の行方と「あの人」の正体を追う内に

実は、玲菜の本名は麗奈という事
そして、12年前に3歳で誘拐された女児である事
その犯人は母と偽っていた麻希子である事が分かる

そんな中母から連絡がくる
母(本名は礼子)には、数年前から全ての事情を知る恋人がいた
その恋人と玲菜(麗奈)と3人で台湾に移住しようと持ち掛ける

しかし玲菜は「母を自分から解放してあげよう」と決意する

そして、いよいよ母は恋人と台湾へ脱失!という間際
誘拐監禁容疑で逮捕されてしまう・・・・

玲菜(麗奈)は、本当の家族と再会する事となる・・・・・という場面で終わってます



「無戸籍児童」「幼女誘拐」等、物語のテーマは非常に重いのですが
玲菜に暗さが感じられない事、母(誘拐犯だけど)の養育が良かった為か
15歳と思えぬ程にしっかりした頭もいい女の子に育ってます

自分が誘拐にあった被害者であることを知っても
加害者である母のことを第一に案じています

月並みな言葉ですが「生みの親より育ての親」って事なのでしょうか?

寧ろ玲菜にとっては、これからが修羅場だと思うのです
本書の中では、玲菜(麗奈)の本当の家族の描写がひとつもありません


この物語が終わった後、玲菜の人生は?どう動いていっているのか気になる一冊でした



一般的には、血の繋がった本物の家族の元に戻るのが幸せなんでしょうけど
玲菜の側に立った時・・・それが必ずしも幸せでないのでは?と思えてきます


他の作家さん角田光代氏の『八日目の蝉』の薫側から見た話という感じも
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2018.04.11 


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