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全然恐くない、寧ろ心の底がキュとなるような幽霊譚
ゴースト
『ゴースト』 中島京子・著

戦中・戦後まもなく命を落とし、現代に蘇った?現れた幽霊達
7つの短編が収められてます

「きららの紙飛行機」は、今時々ニュースになる育児放棄・ネグレクトをテーマにしています
水道もガスも電気も止められてしまったアパートの1室で母を一人待ちつづける
5歳の女の子「きらら」
戦後まもなく自動車事故で亡くなった戦災孤児だったケンタが姿を現します
ケンタの義理堅い性格から、なんやかやと‟きらら”の世話を焼き
ケンタの‟お節介”で、きららは救われた・・・ような結末になってます
でも、ケンタは・・・・
何かと人間関係が希薄といわれる現代ですが、それでもケンタ同様
優しい人達はいるのだ!と、少しだけ世知辛い世の中が優しく感じられる物語

本書の中で、異色?だったのが「ミシンの履歴」
幽霊らしい?幽霊は出てこないのです
戦前の好景気に作られた国産ミシンとそのミシンの持ち主達の物語
「つくもがみ」的物語です
戦中・戦後を生き抜いた女性達、私の祖母世代の物語でしょうか



最後の物語「ゴーストライター」
名もない幽霊達の‟本音”が語られていきます


幽霊=怖くて恐ろしいもの っていうのが一般的な見方ですよね
でも、この本に登場する幽霊達はけっして恐ろしくも、人に害をなすものではない
寧ろ人助けさえしている
ただ‟思い出してほしい”‟忘れないでほしい”と思っているだけです

今、私たちが‟生きて”いけるのは、過去の幽霊達がいたからこそ!
そして、私もいずれは幽霊の仲間入りをするのですから


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2018.04.08 


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