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戦時下の少女達の物語です
花や咲く咲く
『花や咲く咲く』 あさのあつこ・著

物語は日本の敗戦色が濃くなってきた昭和18年の夏から始まります
食料やあらゆる物資が不足して『贅沢は敵』と言われていた時代

関西の小さな温泉町・湯藤に住む
三芙美・規子・和美・詠子は幼馴染の仲良し4人組
娘盛りを迎える年頃ですが、お洒落なんて楽しめない
ある時、三芙美の母の知人から美しい布地を手に入れた4人は
こっそりお洒落なブラウスを作り、将来の夢や希望を語り合い
お互いを励まし合い支えあい、厳しい時代でも明るく楽しく過ごしていましたが

昭和19年夏、いよいよ労働力にも事欠くようになり
「学徒勤労令」が発布され、三芙美達4人も家族や友人達と引き離され
それぞれ遠方へ勤労奉仕に向かう事になってしまう
『戦争が終われば、また4人で集まり楽しくお喋りしあう事が出来る』
それを信じて“お国の為”に頑張る三芙美達

そして、昭和20年終戦を迎える


今放映されている、NHK朝の連続ドラマ「べっぴんさん」に近いお話
ですが
こちらの方が全くのフィクションですが、寧ろこちらの方がより「現実」に近い物語かもしれません・・・




戦後70年が経ちました

私にとってこの昭和の第二次世界大戦前後は、遠い遠い昔なのです
言葉が足りませんね
例えば戦国時代 平安時代より“遠い”時代なのです
変な“言い方”ですが
明治時代以前の“話”はあまり遠すぎて、だからでしょう
史実だとしても、遠すぎてリアルな感じかしない
“フィクション”として冷静に、否ある意味では“楽しめて”しまえるのです

でも、昭和の戦中戦後の日本人として“残酷で辛い”時代は
あまりに近すぎて、冷静に見られない
寧ろ意図して避けています
勿論、「戦争を知らない世代」ですが、時代が近すぎる為に恐怖すら覚えてしまうのです


この物語は、あさの氏の創作で実話ではありません
でも、物語の中で“生きる”三芙美達が妙にリアルです
時代は違っても、現代の女子高生となんら変わる事はないんですよね
(当たり前ですよね?)
お洒落が好きで、甘いお菓子も好きで
将来は夢と希望で輝くばかりの女の子なんです

だからこそ、この時代の話には冷静に“物語”として楽しむ事が出来ないのです

物語の結末も、決してハッピーエンドではありません(と思います)



なんか、自分でもよく分からないけど
色々考えていまった一冊です



平和な時代に、のほほんと暮らしている今の自分に感謝しつつ
一歩間違えれば“あの時代”に戻ってしまうような危うさを感じてしまいました
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2016.11.29 


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