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久しぶりに読んだ、葉室さんの本です
残暑厳しい季節ですが、葉室さんの“筆”による凛と冷えた冬景色が堪能出来ます
はだれ雪
『はだれ雪』 葉室麟・著
日本人が大好きな『忠臣蔵』の外伝的時代小説です

赤穂藩主・浅野内匠頭が江戸城内で吉良上野介に刃傷に及ぶ
幕府目付役・二千五百石の直参旗本・永井勘解由は
田村家へ預けられた内匠頭へ幕府の許可なく面会を求め、内匠頭と言葉を交わす
その事に将軍・綱吉の不興をかい扇野藩に預け(幽閉)の身となる

一方、罪人・勘解由を預かる事となった扇野藩では
勘解由の「接待役」(監視役も兼ねる)に、家臣の後家であった紗英が藩命により
側近くに仕えることになる
罪人とはいえ、折り目正しい“武士”である勘解由に少なからず好意を持った紗英と
勘解由の心の交流を主筋に物語は進みますが
内匠頭と『最期に言葉を交わした』勘解由に、主君の遺言を聞こうと
浅野家の遺臣たちが、勘解由の元を密かに訪れてきます
物語は、仇討ちを画策する大石ら浅野家忠臣達の動きも同時進行していきます

映画やドラマ化された作品あるので「蜩ノ記」など、ご存知の方も多いかと
葉室麟さんの著作は、何作が読んだことがありますが
まるで墨絵のような凛々しい人物と静謐な物語
その物語の舞台“背景”となる日本の四季の様子は色鮮やかに綴られていかれます
その対比が、一層物語りを奥深い物にしてくれているようです


たおやかでありながら、芯の通った強い女性を清々しく描いています
そして、同時に男性も元祖「大和男子」といっていいのか?
潔く逞しく(肉体的な意味だけでなく魂・精神もね)描いています
勘解由も「武家の手本」のような男性です
【葉隠】の「武士道と云ふは死ぬ事と見付けたり」が有名ですが
勘解由を一言で表すなら、正にこの一言に尽きるかと!

もし目の前に勘解由のような男性がいたら、女子の8割は惚れる!と思います
(まず、現代に勘解由のような人はいないなぁ~きっと^^:)




『はだれ雪』とは、まだらに降り積もった雪やはらはらと降る雪のこと
早春の季語にもなってるそうです


ネタバレになってしまいますが
勘解由は罪を解かれて、幕閣に復帰します!
しかも八千石に加増、将軍の側近である御側衆に抜擢
そして勿論、その傍らには奥方となった紗英と娘・雪が

架空の物語の架空の人物達ですが、勘解由と紗英には
『その生き様、見事に御座る』と寿ぎたい気持ちです



久しぶりに時代物らしい、凛とした物語を読ませて頂きました
日本人は、勝者よりは敗者にこそ“美しさ”や“潔さ”を見出します
『滅びの美学』と形容されるモノでしょうか?

ど素人ですが、最近外国人にも憧れを持って語られる『武士道』
(一般的に語られる、武士道(侍道)と死の認識は間違ってると思うのですよ
死はあくまで結果であり、死が最終目的ではないと思うのです)
『武士道』には大きく2つの道があると思うのですが
『武士道』を堪能させてくれる物語でした



葉室麟さんの著書、久しぶりに色々読んでみたくなった作品です
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2016.08.20 


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