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『葬偽屋は弔わない』 森晶麿

葬偽屋
『葬偽屋は弔わない』殺生歩武と5つのヴァニタス 森晶麿・著

葬儀ではなく 葬“偽”(偽り)ですよ

婚約者が事故死して、自らも命を絶とうとしたセレナ
おまえが死んだ後の世界、見せてやろっか?

そう声をかけてきたのは、「煩悩寺」の住職・殺生歩武
歩武が裏で営む 「葬偽屋」を手伝う事になったセレナ

「葬偽屋」とは、依頼人が自分の死を偽装し、葬儀を行い
人間関係や己の中にある未練を清算する為の儀式です
但し、葬偽終了後、依頼人は己の死が偽装である事を参列者に告白することが条件
(所謂、生前葬とは、ちょっと主旨が違います)

中学生が依頼した、母親探しと親子の再生の物語
初恋との決別など、切ないような甘酸っぱい物語や
やくざの抗争と、裏切りの血生臭い物語など
5つの『葬偽』が語られています

美学論を元に語られる『黒猫シリーズ』と同じ著者の作品です
本作も、随所に美学本作では、絵画ヴァニタス寓意的な静物画(死を象徴する物)について、
歩武が随所で語りますが、「黒猫」よりは解り易いです
絵画の話を“はしょちゃっても”充分楽しめる?作品です


『黒猫シリーズ』の黒猫と私は、ちょっと超越していて人間臭さが希薄な感じ
感情移入するのが、難しいタイプの登場人物ですが

コチラの歩武とセレナ、そして依頼者の死体?を作製する美男の黒村
は非常に人間臭いのです
ダークな娯楽作品として楽しめると思います^^

しかし考えてみれば人間生きていれば、
何かしらの未練との決別(死と形容してもいいのかも?)の連続ですよね

綺麗に決別できる未練もあれば、何十年たっても決別できない物もありますよ・・・・・ね?





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Comments 2

良寛和尚
別離・・・・・

良寛でございます、お邪魔致します。
うぅ~ん、葬儀ではなく葬偽ですか。
死別という「永久の別離」を「偽装」して周囲の本音を引き出す、ナカナカ悪趣味なやり方ですが「人の本音」を引き出すには上手いやり方なのかもしれませんねぇ。

自分に置き換えて考えてみると、うぅ~ん、どうだろう?
自分が死んだ時に色々と任せられる人間は「弟」、きっと泣いてくれるンだろうなぁ、と思われるのが「姪っ子」と「4人の友人達」位かなぁ? 幸いにも騒動に成るほどの財産もなければ、恨みを買うほどに憎しみあっている人間も今はいないし。

と、思っているのは本人だけなのかな?
チョット試してみたくなってきた・・・・・・

藤猫=^・^=
未練を断ち切る葬偽なら

良寛さま、いらっしゃませ

他人の気持ち・本音を推し量る為の偽装は
どんな結果が出ても後味が悪い気がしますね
例え、良い本音だとしても葬偽をして引き出した本音が本当のことなのか?
疑いだしたらきりが無いですね(--;
人間って複雑~

ただ、他人を巻き込まない
自分自身の中にある「過去の未練」を断ち切る為なら
私もお願いしたいかな?なんて思いました

  • 2016/04/30 (Sat) 18:03
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