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「らい病予防法」が廃止されたのは、1996年の事だったんですね・・・・
あん
『あん』 ドリアン助川・著

昨年、樹木希林さん主演で映画化された作品の原作本です

“シャッター商店街”の一角にある、千太郎が営むドラ焼き専門の「どら春」
ある日アルバイト募集の広告に、76歳の吉井徳江が応募してきます
高齢を理由に断ろうとする千太郎ですが
50年“あん”を作り続けてきた徳江の餡子を食べて、餡作り専属という事で徳江を雇います

徳江を雇った事で、夢破れ犯罪に手を染めてしまい
ドラ焼き作りも、生き方も投げやりだった千太郎にも変化が現れてきます

過去がある千太郎同様に、徳江にも拭いきれない過去がありました
それは、「ハンセン病患者」であったという事
そして今も、元患者が暮らす療養所で生活しているという事

閑古鳥が鳴いていた「どら春」でしたが
徳江の“あん”と、千太郎のドラ焼きの皮の美味しさで評判を呼び
行列が出来るまでに経営は上向いていきます

が・・・・徳江がハンセン病患者であるという噂が流れ
「どら春」を去る事に・・・・

徳江から、あんの作り方を学んだだけでなく、人生その生き方を学んだ千太郎は
「どら春」から徳江が去った後も、彼女と手紙での交流を続けていきます
そして、千太郎が選んだ生き方とは・・・・



物語の背景に「ハンセン病(患者)」の差別問題が描かれているとは知らずに読みました
中学の歴史(近世)の授業で、うっすらと「ハンセン病」患者の隔離政策を習ったような~
ハンセン病(患者)への差別は、もうはるか昔の事のように思っていましたが
『らい(ハンセン)病予防法』が廃止されたのは、1996年
つい20年前の事だったんですね・・・・・
それまで、ハンセン病を患った人達は、療養所という名前の隔離病棟に隔離され
一般社会との接触は禁じられていたそうです

ハンセン病は、感染力が極めて弱い病気だそうですが
感染経路の不透明さや、その症状の特異性から、酷い差別を受けていたそうです
「生きながら殺される」とは、こういうことなのかもしれないです

ちょっと前の“HIV感染症”と似たような感じなのかな?
病気に対する知識不足からくる恐怖心からの差別意識のような感じでしょうか?


40代後半の千太郎  70代の徳江  15歳の中学生ワカナ
の3人が主な登場人物になります
私は年齢の近い千太郎の気持ちで読んでいきましたが
ワカナに近い、中高校生が読むと違う読み方・感じ方があるのかな?


美味しいドラ焼き食べながら、映画を見てみたくなりました
レンタルしてこよう
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2016.01.08 


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