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‟大さん”理想の猫です!
猫付平屋で
『猫付き平屋でひとやすみ 田舎で人生やり直します』
 黒田ちか・著


東京でwebデザイナーとして働いている、相馬勝矢
美大を出て就職したデザイン会社では、その才能を認められ
社内でもトップのチームに配属されて、学生時代から付き合い始めた恋人とも順調
エリート街道を順風満帆に歩んでいるか?と思っていたが
パワハラ上司とそれを庇う会社の体質に、少しづつ心も体も蝕まれていく
恋人とも別れ、 祖父母と共に住んでいた田舎へと帰る事に

市街地から離れた丘の上に建つ一軒家
今は亡き祖父母と、そして愛猫の思い出が詰まった家
祖父母を慕っていた地元の人達や、幼馴染達に囲まれて
少しづつ心身の健康を取り戻していく勝矢

そんなある日、祖父母の代わりともいうべき人達から
「また猫を飼わないか?」と水をむけられる
そう、かって勝矢の家には大きな茶トラ猫‟大さん”がいた
が、祖父母が亡くなり勝矢が東京の大学に進学する直前行方不明になってしまった
大さんの思い出が捨てられない勝矢は新たな猫を飼う事に躊躇するが

ある朝‟大さん”が現れる
普通の猫の5倍の大きさがあり、子供からは「トラ!」と見間違えられる‟大さん”は
お察しの通り普通の猫ではない
どうやら勝矢の家のある土地の「土地神様」の化身のよう
幼い時から勝矢を見守りつづけ、亡くなる直前の祖母の‟願い”で姿を一時的に姿を消していた様子

勝矢の守り神的‟大さん”の存在と
地元の幼馴染夫婦や大学の後輩の力添えもあり、地元で会社を立ち上げ
デザイナーとして再生していく アラサー男子のファンタジーです




先に読んだのが政治絡み?の固いお話だったので、気楽に読める一冊を

ファンタジーなのに30手間の男性が主人公というのが、ちょっと違和感ありましたけど^^;;

猫というか妖?の‟大さん”はもう理想の猫だわ
ふさふさ尻尾をもった長毛の茶トラ猫、メインクーンかノルウェージャンフォレットキャットか?
小さい子供からは「トラ!」と言われる程の大きさ
お顔はまん丸目で、男子が思わず見惚れる程「カワイイ」
長毛なのに抜け毛がない  ご飯は人と同じモノを食し
しかも超甘党(洋菓子系より、餡子に目が無いようです)そして日本酒も嗜む
つまみは、餡団子や羊羹がお好みらしいです

そして何より「死なない」妖だから
私にも‟大さん”現れないかなぁ・・・・・ふじこが”大さん”だったら良かったにな~
ふじこは、大さんみたく優しくないかも?容赦なく猫パンチを繰り出してましたからね
最近夢に出てきてくれません・・・・会いたいなぁ・・・・
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2020.03.18 
政治音痴なのでちょっと読むのに苦労しましたが、引き込まれました
総理にされた男
『総理にされた男』 中山七里・著

売れない劇団俳優の加納慎策は、総理大臣・真垣統一郎にそっくりな外見を活かして
真垣総理のものまね芸で食いつないでいる
ある日,慎策は樽見官房長官に拉致され
『総理の替え玉をやってくれませんか』とトンでない申し出を受ける

実は真垣総理は大病に侵され瀕死の状態にあった
ホンモノの総理が快復するまでの「影武者」を演じて欲しいという事
国政が滞れば何より国民がそのツケを支払わなければならない
総理の影武者を演じきった後の応酬、そしてなにより慎策の「役者魂」に火が投じ
影武者を演じる事に
野党との覇権争い、官僚達との折衝 そして中東では日本大使館がテロに占拠される
政治には全く無知な慎策に次々と難題が襲い掛かる

そして、本物の真垣は病に勝てず亡くなってしまう

真垣にも樽見にも、ついに引き返す事が出来なくなってしまうが・・・・

当初は、樽見の‟あやつり人形”に徹していればいいと思っていた慎策ですが
東日本震災の震災地のなかなか進まない復興
狡賢い官僚達の姿、国政の中心にいるからこそ見えてくる「政治の本質」に触れ
慎策自身に心境の変化が起こってくる
そして、ただのあやつり人形として見ていた樽見は、
慎策の姿に自身が政界に身を置いた当初の気持ち、「本物の政治家」の姿を見出だす



読み出して、池井戸氏の『民王』を思い起こさせるストーリー
(あちらは親子の入れ替わりでしたが)
設定はあまりに荒唐無稽でしたが、国政や議事進行はよりリアリティがありました
(政治音痴なので、読みながら「これは?」とネットで検索しつつ読み進めましたが)
政治音痴な私でも^^;;本書を読んで国政の矛盾、日本人の思想の矛盾が朧に分かった気がしました
樽見官房長官が『信条よりは心情を、論理よりは倫理を重んじる』と日本人の国民性を説いていました

過去の事件をモデルにしているストーリー展開
そして、登場する政治家達も「あっ!!この人はあの人がモデル」と思う描写がそこかしこに


私的に、樽見官房長官好きです
この人を「生かしておいて欲しかった」
樽見さんに、諸葛孔明か?竹中半兵衛か?というイメージを重ねてしまいました
志半ばで倒れてしまった宰相参謀の無念さというかね・・・・
現実の政治家としては、現官房長官の容姿が近いかと?
樽見と慎策が二人三脚で動かしていく日本が見てみたかったです(フィクションの中ですね)


気になるのは、英国へ飛ばされてしまった慎策のもう一人の参謀役・風間です

風間のその後や番外編とか書いて頂けないでしょうかね?


2020.03.16 
ページを捲ったら止まらなくなってしまいました
大人は泣かない
『大人は泣かないと思っていた』 寺地はるか・著

九州に架空の街 肘差(村)
電車もバスも一時間に数本、車がないと日々の生活に事欠く田舎
物語の中で映画「八つ墓村」みたい とふれられています

父と2人暮らし、地元の農協に勤める32歳の「時田翼」くんと
彼の家の隣の住民の孫にあたる「小柳レモン」ちゃんが主人公

翼くんとレモンちゃんが出会ってからの一年間を
彼らを取り巻く人々が語るオムニバス形式で物語が進んでいきます

子供の頃から‟線が細く”趣味は週末のお菓子作りと女子力が高そう?な翼くん
外見からは女々しいと見られがちですが、ここぞ!という時は意外な程男らしい

シングルマザーの母親と2人暮らしだったレモンちゃん
キラキラネームと外見が今時の娘の為に誤解される事も多いけど
その中身はしっかりした思考と行動力を持った女の子、因みに翼くんの10歳下

翼くんの幼馴染にして大親友?の鉄腕
街でちょっと浮いた存在の翼くんと父親を影日向なく力になっている好男子

翼くんの同僚の平野さん
大人しい性格で、翼くんに片思い?しているような健気女子

離婚して隣街で元同級生と事業を初めて成功した翼くんの母親・広海さん

時代と世代交代についていけず、家族の中で孤立しているように感じている鉄腕の父

色々な世代・境遇の人達が登場してます
自分と境遇(過去)が似ている人、共感できる人・出来ない人色々ですが
どの登場人物も少しだけ自分に似ていて、少し違っていて
物語を読みはじめたら止まらなくなりました

レモンちゃん母娘がメインの『小柳さんと小柳さん』が好き
レモンちゃん母娘の関係性がいいなぁと、
クールな親子関係ですが、お互いが人格をキチンと認めあっている
そしてレモンちゃんの義父にあたる「小柳さん」
頼りなさそうですが、一番度量が大きいように思いましたよ^^
3人の小柳さん、皆素敵です

図書館が閉館中にゆっくり読もうと思っていましが、一気読みしちゃいました


物語の中で小柳さん(レモンちゃん)が「生きていくって言うほど簡単なことじゃないよ」と
ホントにね・・・・生きていくって大変ですよ

2020.03.01 
とてもお洒落な一冊でした
月とコーヒー
『月とコーヒー』 吉田篤弘・著

1つのエピソードが10p前後の短編集
SF風 ラブストリー風 ファンタジー風と、それぞれテイストの違う24の物語が収められてます
それぞれのお話の中には必ず「食べ物」や「飲み物」が主役だったり脇役だったりと登場します
甘くないケーキ・サンドイッチ・この世でいちばんおいしい朝食・バナナetc そしてコーヒー


オチがあるモノ ないもの 
『結末はどうしましょう?』と作者からポン!と渡されたような・・・哲学的な雰囲気の物語たち
ちょっと「マザーグース」を彷彿とさせる一冊でした   

とてもお洒落な感じ?と思ったら「さよなら、東京」の作者さんのものでした

後書きに「一日の終わりの寝しなに読んでいただく短いお話」と
寝る前、ベットにはいって一晩に1・2話読むのにピッタリな一冊
(図書館本ですが、これは購入して自分の本棚に収めます!)




コロナウィルス騒動がピークをむかえているような気が・・・・
学校休校要請や、外出の自粛 
この週末は、自宅でコーヒーをお供に読書三昧が良いような気がします

2020.02.28 
シリーズ7冊目にして、安心?して完読できました
あきない7
『あきない世傳 金と銀 七・碧流篇』 高田郁・著

五鈴屋の‟ご寮さん”として、念願の江戸店を開き奮闘する幸とお竹・佐助・賢輔達
江戸店で月一開かれる帯結び指南の催しから、染師の力造と知り合い
幸は江戸・武家の裃に使われる「小紋柄」に目をつけ
江戸者が好む、町民たちの為の小紋柄の反物を作ろうと決意する

大阪で知古になった人形浄瑠璃の亀三の縁で
歌舞伎役者の菊次郎そして、当代一の人気役者中村富五郎へと縁は繋がっていき
五鈴屋・江戸店が勝負をかけた江戸紫の小紋がいよいよ江戸人々へのお披露目の日を迎えた!!



江戸店の4人が一丸となって、江戸での商いに万進する姿が描かれて一冊
シリーズ始まって‟はじめて”順風満帆な一冊でした
ほんと♪安心して読み切れた一冊です^^
前作6冊は、幸せな道を歩みはじめたか?と思った途端に災害や不幸に襲われていましたが
最後まで、憂いもなく物語が進んでくれました

物語の後半、幸の唯一の肉親になってしまった妹・結も江戸に出てきました!!
久々の姉妹再会です
物語の中で、幸は結をいつまでも「小さな妹」のように感じると描かれていますが
読み手である私にとっては、幸もいつの間にか29歳 
その秀でた美貌で大阪の呉服組合の面々を魅了した少女も、もう立派な大人‟ご寮さん”になってしまって
架空の人物ですが、感慨もひとしおです

本書は「幸!頑張ったね!!」ってエールを贈れる一冊
唯一気がかりなのは、大阪から出奔していた五鈴屋の次男・幸の二番目の夫だった・惣次
彼も江戸に居るようなのです・・・・・
彼は今後、幸の味方となるのか?それともライバル・商敵として幸の前に現れるのか?


もう次巻が出ていますが、続きが楽しみです

2020.02.26