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♪東京は、夜の1時♪
おやすみ、東京

『おやすみ、東京』 吉田篤弘・著


「時計が1時を打った。」「時計の針が1時を指した。」「東京は午前1時である。」等
真夜中の東京午前1時から始まる、オムニバス的物語です
12の短編が収録されています

「眠らない街東京」 夜中の1時でも働き活動している人達がいる
ある人は映画の小道具や美術品を扱う会社で
ある人は葬儀社の傍ら副業に精を出す
ある人は骨董屋(古道具屋)を営み
ある人は食堂を営み ある人は役者として
そして、それらの人々の営みに欠かせない
夜専門のタクシー「ブラックバード」のドライバーとして

そんな人々の生活の一コマを切り取り、ひとつひとつの物語の登場人物達が
広いようで狭い、狭いようで広い街・東京で少しづつ繋がっていく物語です


巷を騒がすような事件や事故が起こる訳ではありません
TOKYOという街に相応しい華やかな煌びやかな生活を送っている人ではありません
でも「東京なら、ちょっと普通と違うこういう生活を送っている人が実在しているだろう?」思わせるような
センスのいいお話を集めた1冊です

本の装丁やページデザインもお洒落です
図書館本ですが、これは購入して本棚に納めたい1冊

♪トーキョーは夜の7時♪って歌が流行しました
そのフレーズを思いだしました♪ 懐かしい~

24時間、真夜中でも明かりがつき、日中と同じように活動している人々がいる
そんな「東京の夜」を垣間見るような気分でした
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2018.10.14 
女医師(見習い)おいちちゃんが活躍するシリーズ4作目
火花散る
『火花散る・おいち不思議がたり』 あさのあつこ・著

巷で評判の町医者・藍野松庵の娘”おいち”
おいちには、死者の声や姿が見えたりと不思議な力が備わっている
今までその力で数々の人を救ってきたが、普段は極普通の町娘
父を助け女医者の見習いとして忙しい日々を送っている

ある商家の往診の帰り道、訳アリそうな妊婦‟滝代”を助ける
武家出身と思われる‟滝代”はそのまま、おいち・松庵の元で男児を出産
しかし滝代は出産後おいちの元から姿を消してしまう
そして数日後無残な姿で発見されてしまう

滝代の正体に不穏なものを感じた仙五郎親分の忠告を受け入れ
男児・十助は、おいちの患者でもあるある商家に里子として出される事
十助を里子に出した直後から、滝代とその赤子(十助)の行方を探している杉野という武士が現れる

滝代の哀しい恋の顛末と、その子十助のおかれた立場
そして、十助の「本当の秘密」が‟滝代”自身からおいちに語られる・・・・・・


おいちは、恋も恋愛も結婚も飛び越して「母」になりたい!
なんて事を語っています!!  びっくりポンだよ~
でも最近のお年頃の女性は、『旦那はいらないけど子供は産みたい!欲しい』という人が多いとか?
あさの氏、世相を反映しましたかね?
そして、おいちは「女子が独りでも安心して子供を産めるそんな場所を作りたい」と
父・松庵に訴えます

・・・・・女起業家のはしりですね(フィクションだけど)


私は「昭和の女」だから、おいちちゃんにはちゃんと恋して旦那さんと子育てして欲しい
未婚の私が言ってもせんないことですけどね~~


2018.10.10 
高田さん・・・・・サディストなんですか
あきない世傳5
『あきない世傳金と銀 五・転流篇』 高田郁・著

‟商いの戦国武将”幸の物語、5巻目です

五鈴屋の恩人でもある桔梗屋の「買い上げ」もひと段落
両店の奉公人達も「心ひとつ」にして、商いを広げていく
五鈴屋そして幸も艱難辛苦ありましたが
商いも順調、そして幸は懐妊 五鈴屋は幸福に満たされていた

が・・・・幸の実母・房が急逝
そして産み月まであと少しというところで幸は流産してしまう

哀しみを心の底に押し込め気丈に振舞う幸
友蔵や五鈴屋の奉公人達の支えと、何より幸の中にある「商いへの情熱」が
幸を立ち直らせていく

時を同じくして、人形浄瑠璃「忠臣蔵」が大当たり
友蔵の友人であり人形浄瑠璃の使いて亀三の後押しもあり
五鈴屋が工夫した「五鈴帯」が大当たり
幸の夢のひとつであった「江戸への出店」に向けて第一歩を踏み出す
友蔵・幸夫婦も奉公人達も、新たな商いへの挑戦へ胸を膨らませいた矢先に・・・・



幸の‟細腕繫盛記”かとシリーズを読み進めていきましたが、展開がそれ以上
この夏ドラマ放映された「ハゲタカ」(綾野剛さん・沢尻エリカさん出演)みたいです
それ以上にハードかも・・・・

著者の高田氏は、ドSとしか思えない展開です
図らずも五鈴屋の三兄弟に嫁いでしまった幸ですが
一番幸を理解してくれる友蔵と結ばれ、商いも順調
やっと幸も名前の通り幸せになれる(^^)と安堵して読み進めていたのに
実母の死や流産・・・・もう幸を苦しめないで・・・・(-人-)と祈るような気持ちでいたのに
本書のラストでは・・・・・・嫌な予感しかしない

次巻をドキドキハラハラしながら待ってます

2018.09.25 
‟おちか”が嫁ぎました!黒白の間の次の主はあの人!
三島屋変調伍
『あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続』 宮部みゆき・著

三島屋・黒白の間で語られる怪異譚も5冊目です 今回は「一区切り」ついた感じですね

『開けずの間』 
誰かの命と引き換えに、願いを叶えてくれる「行き遭い神」にお店も家族も根絶やしにされてしまった話

『だんまり姫』
海辺の恵比寿藩の小さなお姫様は言葉をしゃべる事が出来ない
今はお城の「守り神」となり天守に‟住まう”小さな若殿様の物語

『面の家』
過去江戸で起こった数々の災難(火事や殿中事件)は、災いを引き起こす「面」達の仕業
その面を封印する家の女中が見聞きした物語

『あやかし草紙』
三島屋出入りの貸本屋・瓢箪古堂の若旦那・勘一が語り手
瓦版を写す事で、書き手の最期の様子が分かってしまう不吉な草子に纏わる話
そして!!おちかが勘一に‟逆プロポーズ!”

『金目の猫』
年末・新年を迎える準備と年明け早々に嫁ぐ事になったおちかの嫁入り支度に
何時にも増して賑やかな三島屋
他店に修行に出ていた長兄・伊一郎も久しぶりに三島屋に帰ってきた
そして、黒白の間にて
聞き手を弟の富次郎がつとめ、兄・伊一郎が語る兄弟が幼少期に起こった
金色の目の白猫に関わる不思議な話

5つの物語が収められています

さてさて、実家・品川の旅籠で不幸な出来事から許嫁と兄ともしたった男性を失い
心を閉ざしていた‟おちか”
黒白の間で語られる不思議な話、そして語り手達の人生を知る事で
再び人として歩む決意をし、瓢箪古堂・勘一という伴侶を得ました!
これは大変めでたい事ですが・・・・・・
『えっ!!!!百物語これにて完結?!ですか』とあせりました
シリーズ5巻で、まだ27話しか語られていません!やっぱり100話で完結して欲しい

しかし、ご安心
前巻から、おちかと一緒に聞き手をつとめていた三島屋の次男・富次郎がおちかの後任です
本書の終わり、おちか・勘一の祝言の夜
『凶宅』(三島屋変調百物語1巻・2話目)の主が富次郎の元に挨拶に現れます


次巻・碌之続からは、聞き手・富次郎 守役お勝で続いていくものと思われます
聞き手が別嬪なお嬢さんおちか、からイケメン小旦那に変わる事で
語り手も、なにより「凶宅」の主がどう変わっていくか?楽しみです




ちょっと予想外れたなぁ・・・・・シリーズの中でおちかが淡く心惹かれた人物が数人登場しましたが
なんだかんだで結局、三島屋の兄弟・伊一郎か富次郎と夫婦になって
名実共におちかが「黒白の間の女主」になると思ってたんですけどね~

でも、おちか‟ちゃん”幸せになってよかったよかった
三島屋と嫁ぎ先の瓢箪古堂は300mと離れていないご近所
おちかちゃんには、ちょくちょく「里帰り」して欲しいものです

2018.09.17 
無事!完走ヽ(^。^)ノ そして感想^^;
ヒトごろし
『ヒトごろし』 京極夏彦・著

新選組の‟軌跡”は今更なので、割愛

本書は、新選組「鬼の副長」土方歳三の生涯を描いた作品
幼い頃、侍が人を‟切る”ところを目撃してから、『人を殺したい 切りたい』という欲望に魅入られた歳三
15歳の時、姉の嫁ぎ先・佐藤家で起こった焼き討ちに紛れて、はじめて人を殺害する
日々の生活の中で、歳三は常に「ヒト殺し」の事を考えるように
時は経ち、幕府公認の京都守護職・新選組として
京都の治安維持の名目の元「合法的」に「人殺し」が出来るようになった
歳三はじめ新選組の血塗られた狂気の所業が淡々と語られ
函館で没するまでが綴られていきます





イケメンな土方歳三・人望溢れる近藤勇・美少年剣士・沖田総司など、なにかと美化される新選組
そんな妄想新選組の隊士は、誰ひとり出て来ません!!

歳三は頭の中では常に人を切る(殺す)事だけを考えているシリアルキラー
新選組のアイドル沖田は貧相な溝鼠の上、歳三を上回る「人殺し」と描かれてます

ホント好き嫌いが分かれる一冊だと思います

私的には、「京極氏が新選組を描くと、こうなるよね~」と納得の一冊
サイコパスとシリアルキラーの内面と、人殺しの場面が続いていきます

新選組の血塗られた歴史は事実
NHKの番組だった?ちょっと忘れてしまいました
新選組は『最悪最凶のテロリスト集団』と定義していました
(彼らやっていた事実を冷静に見れば、そーだよね。テロリスト以外何者でもないわな・・・・)

「新選組」は後世
専門家や素人が考察・所説ある人物達ではあるけれど
日本人 日本そのものの「価値観」「道徳感」が180度変わる変わっていく時代の変換期に
登場した「時代の徒花」だったと思います




決して、読んでいる間&読後もスッキリ!爽やかな気持ちになりませんが
京極フリークの私は面白く楽しく?読めました
(読み終わってみたら1000pがちっとも苦ではありませんでした)

・・・・・ただ、重さが重さなので‟寝っ転がって”読めなかったのが辛かった~~(--;;


2018.09.10